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オカメインコの育成(?)日記。
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鉛中毒で入院 1の続きです。

病院には、たくさんの人と鳥たちがいた。あまりに多いので、立ったまま受診できるのを待った。
30分は経った頃だろうか、声がかかった。ムムしゃんが若い頃に検診に行って以来、ご無沙汰だった診察室だった。
先生は小さいキャリーの中で動くオカメの隙間から見えたフンを、一目見て、即言った。
”便の色から、何か変なものを食べた可能性がある”
”鉛中毒かもしれない。それを否定していくために、まずはレントゲンを撮ります”

正直、言われた衝撃で先生の具体的な言葉は覚えていないが、このような内容を告げられた。
一旦人間は表に出て、ムムしゃんがレントゲンを終えるのを待つ。
当時の心境は真剣に待ったというより、呆けて突っ立っていた、に近い。

そして、再び診察室に呼ばれる。
”レントゲンに鉛小片が写っている”
”この便は、典型的な鉛中毒の色”
”レントゲン上、ご飯を全く食べていない”
”今せわしなく動いているのが神経症状だとすれば、重症度は中~重症レベル”
”この状態は、入院させるレベル”
”入院期間は2~4週間”
”死亡率は10% だが、小動物なので、何が起きるか判らない”
”自宅で看取りたいというのなら、入院は不適切”

「どうしますか」

”ご飯を全く食べていない”というのが一番のショックだった。
不消化のシードを吐いた跡があった。食べようとしたけれど体が受け付けない、もう要らないと逃げて行ったのを思い出した。就寝前に、あんな勢いよく食べるムムしゃんが何も胃に入っていない状態だったなんて。どれだけ辛かったんだろう。
申し訳なくて泣きそうになった。
いや。泣きそうになりたいのも、辛いのも、私ではなく当人なのに、お前が泣くのかよ?と我慢した。
懺悔、後悔、自己嫌悪・・色んな感情に巻き込まれ、試行がくるくる回っていた。
だけど、一つだけは明確に認識していた。素人の私にはできることは何もない。
「入院でお願いします」

再び待合室で待ち、今度呼ばれたときはムムしゃんが入っていたキャリーだけが私に返却された。袋に包み、無気力に椅子に座った。病鳥の面会の家族も来院してた。みんな鳥が大好きなんだな、と思うと少し和んだ。

看護師さんに呼ばれ、会計に立った。
”入院中は、鳥の様子を電話で聞けます。どうぞ、かけてきてください。面会は、鳥さんは飼い主さんを見るとつい頑張っちゃうので、積極的におすすめはしていません」
最低2週間の入院生活で、面会は最小に留めなければいけないのか・・。耐えられるだろうか。
私もそうだけど、彼も。
以前イタリア旅行した時は、ムムしゃんと出会ったオカメ屋さんに預けたんだけど、2週間後に帰ってきたら、彼は凶暴すぎるオカメになっていて、人間は流血騒ぎになった。
今度は、絆が切れてしまうかもしれない、と覚悟した。それでもムムしゃんが生きていればいい。どうにか助かってほしい。

鉛中毒で入院3 に続きます。

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